
最終更新日:2026.10.15
公開日:2026.10.15
- #基礎知識
マテハン機器とは?種類一覧と物流ロボットとの違いを解説
はじめに
物流の現場で日常的に使われる「マテハン」という言葉。マテリアルハンドリングの略ですが、何がマテハンに含まれるのかは意外と曖昧です。
コンベヤはマテハンか?フォークリフトは?最近のAMRは「マテハン」と呼ぶべきか、それとも「物流ロボット」か。社内で話が噛み合わないことがあるのは、この範囲が曖昧のためです。
この記事では、マテハン機器の定義と工程別の種類、そして物流ロボットとの関係を整理します。自動化の検討を始める際、どこから手をつけるべきかの地図として使ってください。
ひとことでいうと
マテハン(マテリアルハンドリング)機器とは、物流における「運ぶ・保管する・積み替える・仕分ける」といった作業に使う機器の総称です。パレットや台車のような単純な道具から、コンベヤ、フォークリフト、自動倉庫、そして物流ロボットまでが含まれます。つまり物流ロボットはマテハンの一種であり、対立する概念ではありません。
マテハン機器とは
マテハン機器とは、マテリアルハンドリング(Material Handling)に使われる機器の総称です。マテリアルハンドリングとは、原材料や製品といったモノの移動・保管・荷役・仕分けといった取り扱い作業全般を指します。
これが特定の機械を指す言葉ではなく、用途による分類だということです。そのため、従来倉庫で使われてきたパレットや手押し台車も、最新のAMRも、マテハン機器と指しています。
マテハンの4つの機能
マテハン機器は、担う機能によって大きく4つに分けられます。| 機能 | 内容 | 代表的な機器 |
|---|---|---|
| 搬送 | モノを別の場所へ移動させる | コンベヤ、フォークリフト、台車、AGV、AMR |
| 保管 | モノを収めておく | ラック、パレット、自動倉庫、移動棚 |
| 荷役 | 積む・降ろす・積み替える | パレタイザ、デパレタイザ、リフター、ドックレベラー |
| 仕分け | 行き先別に分ける | ソーター、DAS、仕分けロボット |
この4分類は、自動化を検討する際の出発点になります。自社のボトルネックがどの機能にあるかで、見るべき機器が変わるためです。
工程別のマテハン機器一覧
庫内の流れに沿って、代表的な機器を整理します。
入荷・荷降ろし
- ドックレベラー:トラックの荷台と床面の段差を埋める装置
- デパレタイザ:パレットに積まれた荷物を自動で降ろす機械
- 垂直搬送機:フロア間で荷物を上下に移動させる装置
デバンニング(コンテナからの荷降ろし)は人手に頼る工程の代表で、身体的負担が大きい領域です。
保管
- 固定ラック:最も基本的な保管棚。パレットラック、中量棚、軽量棚など
- 移動棚(移動ラック):棚を動かして通路を削減し、保管密度を高める
- 流動ラック:傾斜とローラーで先入れ先出しを自動化する棚
- 自動倉庫:クレーンやシャトル台車が自動で入出庫を行う仕組み
保管機器は床面積あたりの保管効率に直結します。詳しくは自動倉庫とはをご覧ください。
搬送
- 手押し台車・カゴ車:最も基本的な搬送具
- フォークリフト:パレット単位の搬送に不可欠。有資格者が必要
- コンベヤ:決まった経路を連続的に搬送する設備
- AGV(無人搬送車):ガイドに沿って自動走行する搬送車
- AMR(自律走行搬送ロボット):ガイド不要で経路を自ら判断する搬送ロボット
AGVとAMRの違いについてはAMRとは?AGVとの違いは?で解説しています。
ピッキング
- ハンディターミナル:バーコードを読み取り、商品と数量を照合する端末
- DPS(デジタルピッキングシステム):棚の表示器で取る商品を指示する仕組み
- GTP(棚搬送型ロボット):ロボットが棚ごと作業者のもとへ運ぶ方式
- ピースピッキングロボット:ロボットアームが商品を1個単位で取り出す
ピッキングは庫内で最も人手がかかる工程です。進め方そのものを見直す選択肢はピッキング方式3種類の違いと使い分けを参照してください。
仕分け
- ソーター:コンベヤ上の荷物を行き先別に振り分ける設備。クロスベルト式、スライドシュー式など
- DAS(デジタルアソートシステム):表示器で仕分け先の間口を指示する仕組み
- 仕分けロボット:ロボットが荷物を所定の間口へ投入する。平面型と立体型がある
梱包・出荷
- 製函機・封函機:段ボールの組み立てと封をする機械
- 自動重量検品機:重量差で中身の過不足を検出する
- パレタイザ:出荷パレットに自動で積み付ける機械
- ストレッチ包装機:パレット荷物にフィルムを巻く機械
マテハン機器と物流ロボットの違い
結論から言えば、物流ロボットはマテハン機器の一部と言えて、対立する概念ではありません。
| 比較項目 | マテハン機器 | 物流ロボット |
|---|---|---|
| 範囲 | 物流作業に使う機器の総称 | マテハンのうち自律的に動くもの |
| 例 | パレット、台車、コンベヤ、ラック、フォークリフト、ソーター | AGV、AMR、GTPロボット、仕分けロボット、ピースピッキングロボット |
| 制御 | 人が操作するものも多い | センサーと制御システムで自律動作 |
| 経路 | 固定されていることが多い | 変更・拡張しやすい |
従来型のマテハン機器は固定設備を指すことが多く、一度設置すると配置の変更が容易ではありません。一方、物流ロボットは台数の増減や経路の変更がしやすいという性質を持ちます。
物流ロボットの種類については物流ロボットとは?種類や機能を解説、倉庫ロボット4種とサービス紹介で詳しく扱っています。
機器を選ぶ前に整理すべき3点
1. 扱う単位
ピース(単品)、ケース(箱)、パレットのどの単位で動かすかによって、使える機器がまったく変わります。パレット単位ならフォークリフトや自動倉庫、ピース単位ならGTPやDPSが候補になります。
2. 動かす距離と頻度
短距離を頻繁に動かすのか、長距離を少量動かすのか。コンベヤは高頻度・固定ルートに強く、AMRは柔軟性に強いという違いがあります。
3. 変動の可能性
商品構成、物量、拠点が今後変わる可能性があるかどうか。変動が見込まれる場合、固定設備は不利に働きます。建屋工事を伴う機器か、後付け・移設が可能な機器かという軸で見ておくと、判断を誤りにくくなります。
よくある質問(FAQ)
Q. マテハン機器とは何ですか?
A. マテリアルハンドリング機器の略で、物流における運搬・保管・荷役・仕分けといった作業に使う機器の総称です。パレットや台車のような単純な道具から、コンベヤ、フォークリフト、自動倉庫、物流ロボットまで幅広く含まれます。
Q. マテハン機器と物流ロボットは違うものですか?
A. 別物ではありません。物流ロボットはマテハン機器の一種です。
Q. フォークリフトはマテハン機器に含まれますか?
A. 含まれます。搬送・荷役を担う代表的なマテハン機器です。なお、無人で稼働するフォークリフトはAGF(無人フォークリフト)と呼ばれ、物流ロボットにも分類されます。
Q. マテハン機器は何から導入すべきですか?
A. 機器から選ぶのではなく、自社のボトルネックがどの機能(搬送・保管・荷役・仕分け)にあるかを特定することから始めてください。そのうえで、扱う単位と距離・頻度を整理すると、候補は自然に絞り込まれます。
Q. マテハン機器は後から変更できますか?
A. 機器によります。コンベヤや自動倉庫のような固定設備は、設置後の変更に大きな工事を伴います。一方、AMRや仕分けロボットなどは台数の増減や配置変更がしやすく、物量の変動や拠点の移転にも対応しやすい性質があります。
まとめ
マテハン機器は、物流作業に使う機器の総称です。範囲が広いため、「マテハンを検討する」という粒度のままでは話が進みません。
- どの機能か:搬送・保管・荷役・仕分けのどこがボトルネックか
- どの単位か:ピース・ケース・パレット
- 変化はあるか:固定設備でよいのか、柔軟性が必要か
この3点を整理すれば、見るべき機器の範囲は大きく絞り込まれます。そのうえで、個別の機器については各記事を参照してください。
Robowareでは、現場の作業実態の分析から適した機器のご提案までを行っています。どの工程から手をつけるべきか判断がつかない段階でも構いません。まずはお気軽にご相談ください。

執筆者:Robowareマーケティングチーム
Robowareは、Gaussy株式会社が運営する物流ロボットサービスです。Gaussy株式会社は、2022年に三菱商事の物流開発部の事業がカーブアウトする形で新設された会社です。国内で検証済みのロボットをソフトウェア・カスタマーサクセスを三位一体で提供しています。ロボットを販売して終わりではなく、運用を最大化するための伴走できる体制が強みです。
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