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最終更新日:2024.02.01

公開日:2023.12.22

  • #基礎知識

物流倉庫自動化のメリットと成功事例を紹介

1. はじめに

はじめに

物流業界では、ECの発達・拡大により倉庫内の機械化や自動化のニーズが高まっています。2024年問題の影響もあり、物流倉庫内の作業を効率化させる課題がありますが、実際にはどのように効率化を図ったら良いのか、自動化や機械化はどこから始めたらいいのか等イメージがわかないことが多いでしょう。この記事では、倉庫の自動化のメリット・デメリット、他社の成功事例を交えてご紹介します。

物流倉庫の自動化とは?

物流倉庫の自動化とは、商品の入庫・検品・ピッキング・仕分け・梱包・出庫など倉庫内の一連の作業をシステムやロボットに置き換えることを指します。この倉庫業務を自動化することで、効率化や生産性の向上を図っていきます。

物流業界は、ECの発達で荷物量が激増と人手不足が解消されておらず倉庫の自動化の必要性がより高まっています。国土交通省が発表している「令和4年度 宅配便取り扱い実績」では、50.5億にまで荷物量が到達しています。10年前と比較して15億個も増えている状況です。今後もECは国内だけではなく、越境ECも含め拡大していき荷物の増加に備える必要があります。現在、自動化の施策を検討していない倉庫もなるべく早い段階で検討、導入する必要があるでしょう。

物流倉庫を自動化するメリット

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倉庫内作業は、迅速にミスなく進行しなければなりません。倉庫によってもオペレーションが異なり様々な課題はつきものです。しかし、倉庫自動化の仕組みを導入することで省人化・効率化・品質向上などと多くのメリットを得ることができます。

・生産性の向上
これまでアナログで人に頼って行っていた作業をロボットやシステムで自動化をすると作業効率が大きく向上します。人に頼った作業体制だと、人によってスキルや経験値が異なるので作業効率に変動があります。ロボットやシステムを利用することで作業効率がムラなく進行できるようになります。

・省人化によるコスト削減
慢性的な人手不足の物流業界ですが、少子高齢化に伴い労働力不足が加速する現代。人材確保だけではなく、人件費も年々高騰していくこともこれから見逃せない問題です。(2030年問題)
少ない人数でも作業効率を下げない方法として、ロボットなどで機械化を導入すると、人件費の削減と労働力不足の問題も解決します。

・業務の安定化と品質アップ
上記に述べた通り、人による作業は作業者の熟練度やスキルによって進捗に変動が起きてしまいます。倉庫の自動化を行うことで属人化されたオペレーションから抜け出すことができるので誰が作業しても安定的な効率を発揮してくれるようになります。また人による作業はどうしてもヒューマンエラーが発生してしまいます。自動化・機械化でヒューマンエラーがなくなるので、業務安定と品質も向上する効果をもたらします。

物流倉庫を自動化するための課題

物流倉庫を自動化することはメリットばかりではありません。各倉庫で抱える問題も様々でそれらを理解し解決していかなければなりません。

・導入にコストがかかる
導入コストはどうしても避けられない問題です。導入だけではなく導入後にもメンテナンス等のコストもかかってくるので、導入前にどのくらいコストがかかるのか、費用対効果はどのくらいなのか、計算することが重要です。現在の人件費や物量だけでシミュレーションするのではなく、様々な問題が発生する将来を見据えたシミュレーションが重要なポイントです。

・従業員への教育の時間が必要
今まで通りのオペレーションではなく、どこか一部を機械化・自動化を行うとオペレーションが変わってきます。例えばロボットであれば基本的な操作方法やアクシデント対応等を学ぶ時間が必要になってきます。

・経営と現場の認識合わせが必要
経営目線だけではなく、作業者にとって働きやすい環境であることが大前提になります。今までと異なるオペレーションが導入されると現場からは必ず意見が出てきます。作業者にとって働きやすい機械化・自動化なのか、きちんと認識合わせをすることが重要です。

物流倉庫を自動化する方法

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1、WMS(倉庫管理システム)
倉庫管理システムは、入出庫による在庫の移動や数量のデータを管理するシステムです。倉庫内の作業を一元管理できるので効率化させることができます。

あわせて読みたい: WMS(倉庫管理システム)とは

2、デジタルアソートシステム(DAS)
Digital Assort Systemの頭文字をとってDASと一般的に呼ばれています。デジタルアソートシステムは、デジタル表示器を使用して仕分け作業をサポートするデジタルピッキングシステムです。倉庫現場によって、ハンディや固定式、ゲート式と様々な種類があります。紙のリストを持ちながら作業する必要がないため、作業効率があがります。

3、自律走行搬送ロボット(AMR)
搬送とピッキングができるロボットです。オーダーピッキングからトータルピッキングへの切り替え支援として活用されています。ロボットに合わせたレイアウト変更が必要ないので現場導入がしやすいです。従来はピッキングエリアで多くの作業者が歩き回っていましたが、ロボットが効率的な順序で必要な場所に行くので作業者は、ロボットが止まった場所で必要なものをピッキングするだけになります。省人化・効率化に繋がるロボットです。

あわせて読みたい: AMRとは?

4、無人搬送ロボット(AGV)
Automatic Guided Vehicleの略でAGVと呼ばれているロボットです。工場や倉庫で従来は人が搬送していたものをこのAGVが代わって搬送する役割を担います。AGVと似た役割のロボットでAMRがありますが、大きな違いとしてAGVは走行範囲にQRコードや磁気コード等のガイドが必要となります。

あわせて読みたい: AGVとは?

5、立体型自動仕分けロボット
トータルピッキングした後は、仕分け作業が発生します。仕分け作業も人員確保が難しくなってくる分野ですが、ロボットによる高速仕分けで効率化ができます。立体型は、平面仕分けに比べて省スペースで仕分けができることがメリットです。またロボットによる仕分けなのでヒューマンエラーによる誤仕分けがなく品質向上にも繋がります。作業者さんの経験値に頼らずに高速仕分けができるので安定した業務も実現できます。


上記は一例で、倉庫を自動化する方法は様々です。すべてを自動化するのではなく、自社に合った方法で選択する必要があります。

物流倉庫の自動化するためのポイント

物流倉庫の自動化を成功させるためには、いくつか注意するポイントがあります。

1、現状の課題を把握する
物流倉庫の自動化にはコストがかかります。自社の倉庫には、まずどんな課題があるのかを把握することが重要です。経営課題だけではなく、実際に現場で働く作業者の声も集める必要があります。最初からすべてを自動化するのではなく、自社の課題にあった一部分から自動化を推進することをおすすめします。

2、費用対効果の確認
前述した通り、物流倉庫の自動化にはコストがかかるので投資に対してどのくらいの効果を上げられるかをシミュレーションする必要があります。現在の人件費や物量でのシミュレーションだけではなく、将来を見据えたシミュレーションをしましょう。また新たな機器の導入にはスペースが必要となります。機器を置くスペースもコストに関わってくるのでスペース効率もあわせて、今後の少子高齢化による労働力不足、人件費の高騰、年々加速する物量の増加も鑑みて検討しましょう。

3、サポート体制の確認
物流倉庫の自動化や機械化は、導入したら終わりではありません。機械なので消耗する部品が発生したり、トラブルが起きる場合もあります。導入するものが決まったら、販売しているメーカーや企業のサポート体制も確認しましょう。サポートデスクの24時間対応可否や消耗品は別途請求なのか、万が一の駆けつけ対応ができるか等細かく見る必要があります。特に海外製品の機械を導入する際には、導入までの時間も重要ポイントです。サポート体制のコストも鑑みて前述の費用対効果もシミュレーションしましょう。

4、変化に対する柔軟性
物流倉庫は、繁忙期・閑散期と物流量に波動があります。また倉庫によっては取り扱う商材が変わる場合や倉庫拠点の移転も考えうります。このような変化に柔軟に対応できるかも機械化・自動化を導入するための大きなポイントとなります。

物流倉庫の自動化に成功した事例

物流倉庫を自動化するには、既に導入して成功している企業の例をヒントに自社に活用できるか学ぶことができます。

■EC物流の繁忙期でも安定的な稼働が可能に/EC物流
EC事業特化型の物流代行サービスを提供しているディーエムソリューションズ株式会社では、「ECの物流波動」にどう対応していくかが課題でした。出荷作業が増えるとスタッフの負荷が大きくなり、ミスも起こりやすくなってしまいます。品質を担保するにはスタッフの負荷の軽減も課題でした。そこで、作業工数の軽減、省人化、省力化するために、まずは仕分けロボット「オムニソーター」を導入。

オムニソーター導入の決め手は、現場負担が小さく、課題解決に大きく貢献、そして低コストであったことです。このロボットのおかげで、今後の物流倉庫にはロボットが必要不可欠と認識できるようになりました。
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■作業にかかる人手を40%削減/住宅設備機器
建築材料・住宅設備機器最大手株式会社LIXILでは、製品の多品種化が進み、部品や製品の在庫スペース確保や出荷工程での作業の煩雑化、作業負荷の増大などの課題が顕在化していました。

出荷業務には多くの人手を必要とし、倉庫内の広いスペースを歩行して作業を進めていたので人への負担が大きかったです。今後労働力確保がますます難しくなってくる中で、スタッフへの負担軽減と省人化で棚搬送ロボット「Ranger GTP」を導入決定しました。
以前は5名体制で行っていた作業が3名体制になり、労働力は40%減、さらには在庫スペースも拡大し他の作業に充てることができ生産性が向上しました。
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あわせて読みたい: 株式会社LIXILの成功事例

まとめ

近年、物流業界では労働人口の減少や人件費高騰で省人化施策が課題となっています。省人化だけではなく物量の増加で効率的に作業を進行しなければなりません。物流倉庫の自動化はますます必要となってくるでしょう。導入時には時間とコストがかかるので、自社の課題を明確にし解決につなげていくことが重要です。

はじめての倉庫ロボットパートナー「Roboware」では、直感的な操作で簡単に物流倉庫を自動化するロボットを多数提供しています。取り扱っているロボットは、物量が変動してもそれに合わせた機械の増減、日本の物流倉庫に適した柔軟性の高いロボットを厳選しています。
ロボットの提案だけではなく、既存の自社WMSとの連携ができたり、万が一ロボットに不具合があっても24時間365日サポートする体制や現地に駆けつけ対応も整っています。導入して終わりではなく、導入してからもより効率化、コスト削減するための提案もできることが大きな特徴です。物流倉庫の自動化するためのポイントでもあげたことをすべて叶えているのがRobowareです。

その他にも数多くの著名な企業も活用しております。導入事例集もあわせてご確認ください。

稟議・配布用に | 事例集PDFはこちらから

Robowareを導入いただいた企業様の中から、OmniSorterとRanger GTPの事例を3社ずつご紹介いたします。

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