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最終更新日:2024.05.17

公開日:2024.01.29

  • #基礎知識

物流DXとは?業界の課題や取り組み事例を解説

1. はじめに

はじめに

近年、重要性が高まってきている「DX推進」。物流業界においてもビジネスモデルを革新させることで、これまでの物流のあり方を変革する「物流DX」を推進していく必要があります。この記事では、なぜ物流業界でDXが必要とされているか、課題や解決策を解説していきます。

DXとは

DXは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の頭文字をとってDXと呼ばれています。企業が主にデータやAI、機械等を活用して業務プロセスの改善、サービス向上、ビジネスモデルの変革のことを指します。IT・デジタル技術の発展によりこれまで提供できなかった新しい価値を生み出したり新しい発見を生み出すことで、激しく変化するビジネス環境に対応するためDXが求められています。

物流業界におけるDXとは

国土交通省の「総合物流施策大網(2021年度〜2025年度)」では、単なるデジタル化・機械化ではなく、それによりオペレーション改善や働き方改革を実現し、物流業界のビジネスモデルを革新することを目指しています。

これまでの物流業界のイメージは、体力的にきつそう、待遇面があまり良くなさそう等とネガティブイメージがあります。また生活者から実態が見えにくい部分でもあり、生活者にとって重要なインフラであることが認識されにくい業界でもあります。2024年問題というキーワードでメディアに物流業界の現状が広まっていったこともあり、今後は益々、生活者にとって必要不可欠なインフラ、途切れさせてはならない業界である認識が強まっていくでしょう。そのためには、各社の物流DX推進が必要となっていきます。

参考:国土交通省「総合物流施策大網(2021年度〜2025年度)」

物流業界が抱える課題

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1、人手不足
物流業界は、深刻的な人手不足です。人手不足は、業務の遅延だけではなく品質の低下、物流業界全体に悪影響を及ぼします。特に長距離のトラックドライバーは、一人ひとりへの負担が大きくキャパオーバーになり、働き方改革関連法施行により時間外労働の上限規制等が適用されます。これにより更に稼働率が減少し、必要なときに供給ができなくなる社会問題にも発展していきます。

また日本では少子高齢化が進み、65歳以上の人口が全体の29%までに上っています。
ドライバーの平均年齢も上昇し、若い世代のドライバーが育たないことも今後見過ごせません。ドライバー問題だけではなく入出荷を担う物流倉庫の作業者も人材確保するのが難しくなっています。この深刻的な人手不足は、物流業界の働き方改革や業界全体のイメージ改革も必要です。

参考:内閣府「令和5年版高齢社会白書

2、急激なEC市場の発展による物量増加
誰もがパソコンやスマートフォンを所有するようになり、EC市場が活性化して現在では一般消費者一人ひとりが気軽にインターネットを通じてショッピングするようになりました。そのような背景もあって物量は増加し続けており、令和4年度には宅配便取扱個数が50.5億個にまで到達しています。
10年前の平成24年度には約35億個だったことを考えても、10年間で15億個もの荷物が増加していることになります。

しかし、この激増した荷物を運ぶための従業員は少子高齢化などに起因する人手不足で十分に確保できていません。企業努力だけでは解消できないために利用者への負担増を実施せざるを得ない状況にあり、労働力不足が社会問題化しているのが実情です。

参考:国土交通省「令和4年度 宅配便取り扱い実績

3、アナログな業務進行
物流業界にはITやデジタルの導入が進んでいるとはいえない状況です。その背景には、物流は品目や配送先、荷量、荷姿等が毎回変わるなど業務にあたり細かなオペレーション変更が多くあります。また、日本の物流レベルはクオリティが高く機械やデジタルに頼らなくても求めるサービスに応えられるという側面もあります。しかし、その一方で求めるレベルに答えるには手作業や人による作業で非効率な部分も多くあり属人された業務が常態化しているのも現実です。今後、労働力不足が顕著に現れていく中、属人された業務遂行から脱却と業務効率化でスピードアップが必要となってきます。

4、2024年問題による時間の制限
2024年問題の一番に挙げられているトラックドライバーの拘束時間の制限。必然的にモノを運ぶ時間が少なくなるので、その他の入出荷作業等の時間もより速さと正確さが求められます。今まで以上に早く出荷をするためには、倉庫作業者にも負担がかかってきます。人手不足の中で、正確さとスピードを保つには人の力だけでは限界も見えてきます。

課題解決には物流DX推進

それでは、物流業界ではどのようなDX推進が必要になるのでしょうか。機械化やデジタル化は大手物流会社にしかできない等とお考えではないでしょうか?企業規模に関わらずDX推進は必要で、実際に成功した事例も多数あります。国土交通省「物流・配送会社のための物流DX事例集〜中小物流事業者の自動化・機械化やデジタル化の推進に向けて〜」を参考に紹介していきます。


■物流業務におけるDX導入状況
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※国土交通省「物流・配送会社のための物流DX事例集〜中小物流事業者の自動化・機械化やデジタル化の推進に向けて〜」より抜粋


上記の図の通り、トラックドライバーが関わる配送会社のDXよりも倉庫会社のDXの方が多種多様で改善できる項目が多数あります。モノを運ぶ前の倉庫業に関わる会社がDX推進することで物流業界全体が改善に向かうことができるとも見れます。

■倉庫デジタル化の事例
倉庫デジタル化の事例の一つで、WMSの導入が挙げられます。WMSは物流センター内の一連作業に欠かせないソフトウェアで製造業・卸売業・小売業・食品・通販・ECなど業界問わずに様々な倉庫で使うことができます。入荷管理・在庫管理・出荷管理・棚卸管理・帳票ラベル発行・返品管理等ができ、工数削減のためにWMSは欠かせないソフトウェアとも言えるでしょう。


また倉庫の空きスペースをシェアリングすることで収益を増やす倉庫利用サービスもデジタル化事例として挙げられます。物流倉庫には波動といった物量の変動が大きくあります。物量の少ない時期は、倉庫には多くの空きスペースができてしまいます。モノがない状態でもコストは発生し続けるのでその空いたスペースをシェアリングという形で収益をつくるビジネスモデルとなります。今までになかった新しい価値を生み出した一例です。

参考:国土交通省「物流・配送会社のための物流DX事例集」P5,6

■倉庫の自動化・機械化の事例
倉庫ロボットの活用が事例として挙げられています。従来の倉庫自動化や機械化は大規模な物流センターで、長期利用を前提としたサービスがほとんどでコストやスペースの問題で導入がなかなか進まなかった分野です。
しかし、省スペースで効果を出せる倉庫ロボットが登場してきています。倉庫作業の工程を切り分けて部分的な自動化ができるようになったので導入コストもかなり下がっています。また、購入だけではなくサブスクリプション型のプランもあるので、導入ハードルとリスクを最小限にスタートできるようにもなりました。

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参考:国土交通省「物流・配送会社のための物流DX事例集」P13

物流DXの成功事例

■ECフルフィルメント事業者「ロボットを1年間使って見えたこと」

当センターでは約 60以上のクライアント様を抱え、シャンプーや石鹸、食品、ドッグフードなど、多種多様な商品を扱っている3PL事業者です。
決まった形のラインを作ってしまうと、全てのお客様のニーズに答えることができなくなってしまいます。そうすると品質でばらつきが出てしまうなど、様々な問題が生じます。

立体型仕分けロボットを導入したことで、商品を注文したお客様の個人情報の照合については、ログも含めて全く間違いがなく、100%の品質が担保できて企業信用を守ることに非常に満足しています。また物流の2024年問題解決にも寄与しています。少子化で労働力不足がより深刻化し、
配送時間にも限りがあり、今までよりも早く配送会社に引き渡さなければ荷物が届かなくなってきます。この仕分けロボットで作業効率を上げることができています。
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物流DX推進には倉庫の自動化がカギ

前述したように、物流DXには配送会社より倉庫業に関わる会社の方が多種多様のDXがあり改善の余地が高いです。実際の成功事例をみると倉庫の自動化でロボット導入に取り組んでいました。倉庫の自動化は、作業の効率化だけではなく、品質を落とすこともなく日本の高い物流クオリティを維持できる手段の一つと考えられます。物流DXには、まず物を運ぶ前の倉庫での自動化・機械化がカギとなってくるでしょう。

そして、その国土交通省「物流・配送会社のための物流DX事例集」にも紹介されている「Roboware」とは?Robowareは、日本の物流倉庫に適したロボットを多数取り扱っているサービスです。ロボットを提供しているだけではなく、ロボットを動かすために必要なシステムやメンテナンスなどがすべて揃っています。一気通貫のサービスなので、ロボットを導入して終わりではなく、更に効率化させていく方法やコスト削減するための提案ができることも特徴です。万が一の時も、24時間365日サポートしているので導入してからも安心です。購入だけではなく、レンタルプランもあり自動化・機械化のスモールスタートができる点もポイントです。この他にも成功した事例集サービス紹介資料もあります。まずは資料をご覧ください。

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