出荷頻度別にピッキングと仕分けを変えることで生産性向上と30%の時間短縮に成功！食品物流3PL企業の取り組みとは

短い納品リードタイムや小ロット多品種多頻度納品など、高い品質を求められる食品物流現場では、倉庫内作業の自動化に対する関心が急速に高まっています。企業規模や貨物取扱量などの違いにより自動化の進捗度にばらつきはあるものの、この大きな流れは今後さらに加速していくと考えられます。

九州を拠点に3PL事業を展開する株式会社エイシン様は、大手外食チェーン向けに業務用食品の保管・配送業務を行っています。業界に先駆けて自動化による生産性向上に挑む同社では、2022年にボイスピッキングを導入した後、2023年3月にOmniSorterを導入しました。両者を商品別に使い分けるなど、各々の強みを活かすことで生産性向上を実現しています。

今回は、OmniSorterを半年に渡り運用された中で得られた成果のほか、生産性向上以外の副次的な効果、ロボット導入に伴うトラブル時の対応方法について、同社専務取締役・小森様にお話をうかがいました。

---- まずはOmniSorter導入後の効果について教えてください。作業時間や効率にどのような効果がありましたか？

まず、当社には出荷頻度が低く、量も少ないロングテール商品があります。このロングテール商品の仕分けをOmniSorterで行うようにしました。そして、出荷頻度の高い商品はボイスピッキングを行うようにしたことで、生産性が飛躍的に上がりました。
業態によっては30パーセントの時間短縮が実現できています。

自動化によって得られたメリットに対して、当社は「人を減らす」ではなく、「
できるだけ1人あたりの売り上げを増やす」「人の生産性を上げる」ということで、お客様や従業員に還元したいと思っています。

---- 作業現場の働き方にどのような変化がありましたか？

まさにOmniSorterを導入したことで生産性が高まり、よりそのような会話が活発になりました。

元々ボイスピッキングで、生産性や作業時間の見える化をするという取り組みを行っていました。その取り組みのおかげで既に競争意欲の高い従業員がおり、素地が出来上がっていたと思いますが、OmniSorter導入後はより顕著になりました。休憩室でも生産性の話をしている従業員もおり、とても嬉しく思っております。

---- 機械の取扱についてはいかがですか？

ソーター自身の操作や、その前段のデータ連携はそんなに難しくありませんので、1日もあれば大体皆さん覚えてくださいます。

---- トラブルなどに対して、どのように対応されていますか？

トラブルもパターン化してきましたので、ある程度のことは当社の従業員でも対応しています。「ロボットを1台抜く」といった、簡易的な対応は現場で行っています。ただ、いかんせん精密機械ですので、カスタマーサポートに頼ることも多いです。

トラブルによって完全にピッキングが止まってしまったようなことは今までありませんが、カスタマーサポートに連絡をした当日中に東京から来ていただいたり、夜間作業中にロボットの調子がおかしくなった時には、その日の昼には来ていただいたり。そのようなスピード感で対応いただいており非常に助かっています。サポートの方はよく対応いただいていると思っています。

---- OmniSorterがあってよかったことを教えてください。

業務効率化はもちろんですが、それ以外にも「物流DXに取り組む企業」というブランディングにも一役買っています。
同業他社やお客様がOmniSorterの見学に来られておりますので、そういった面でも良かったと思います。

---- 今後進めようと思っている自動化の戦略について教えてください。

次は保管機能と搬送の自動化を進めたいと思っています。
Robowareには、これらを実現できるような提案に期待しております。