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2021.06.16
倉庫の人手不足や物流波動に対応するため、業界に先駆けて自動化を導入!
三菱商事ロジスティクス株式会社
はじめに
労働力不足が深刻化の一途をたどる物流業界では、少子高齢化によるさらなる人手不足に備えた対策が求められています。しかし、実際にはまだ自動化に向けた一手を踏み出せず、デジタル化が思うように進んでいないのも現状です。
そのような中で、業界の先陣を切ってRobowareを使って人手不足や繁閑の差への適応を目指す三菱商事ロジスティックス様(以下、MCLOGI様)に、Robowareの活用事例をお話いただきました。
導入前に直面していた課題
●労働力不足の表面化
---- MCLOGI様がRoboware導入前に直面していた課題についてお聞かせいただけますか。
MCLOGI様: Robowareの導入前、当社では数年後の労働力不足への対応策について考えていました。物流業界では少子高齢化に伴う労働力不足への懸念が深刻化しており、人手不足を解消する手段の構築や作業手順の標準化を急がなければならない状況にあります。そういった背景もあって、MCLOGIでもやはり同様の課題を抱えていました
●作業手順を標準化ができていなかった現実
---- 労働力不足の解消にRobowareをご検討いただいたのですね。他に課題などはあったのでしょうか。
MCLOGI様: 作業手順の標準化にも課題がありました。作業する方の熟練度に関わらず、業務フローを標準化することは、物流業務では生産性を向上させる観点で非常に重要です。
労働力不足が今後深刻になる事が明らかである中、業務効率化を進めないといけないという危機感を感じておりました。
●繁忙期と閑散期の波(波動)の存在
---- 繁忙期や閑散期などの観点からはいかがでしょうか。
MCLOGI様: 当社でも繁忙期と閑散期があるのですが、繁忙期にはスタッフを迅速に集める事に苦戦する状況が続いていました。その他、スポット業務で急な人手不足に対応しなければならないという課題もありました。こういった状況を、Robowareを活用することで解決できればなと思い、導入を検討しました。
●Roboware導入前に行っていた解決策
---- そういった背景があったのですね。Robowareを導入する前には、そういった課題に対してどのような対策を取られていたのでしょうか。
MCLOGI様: Robowareを導入する前は、一言でいえば人海戦術に頼っていた形です。
例えば、繁忙期は人件費単価を上げて人をどうにか確保するなどの対策を取って対処していました。ですが、やはり単価を上げるだけでは根本的な解決にはなりません。早めに他の切り口から解決しないといけないと感じていました。
今後の作業費の高騰を予測しRobowareを導入!
次に、MCLOGI様がRobowareを知ったきっかけなどについて詳しくお伺いしました。
●Robowareを初めて知ったきっかけ
---- 物流業界では国内全体の物流需要の増加なども手伝って、物流コストは年々増加傾向にあります。将来的には現状よりも一層作業費が高騰するだろうと予測して、MCLOGI様ではRobowareの導入を決められたとのことでした。Robowareを初めて知ったきっかけを教えていただけますか。
MCLOGI様: 当初、2018年から2020年まで三菱商事に出向していまして、その縁でRobowareの事業に携わりました。グループが一丸となって物流業務の課題解決を進めていこうという方針を立てた時期と重なったこともあり、導入を前向きに検討しました。
●倉庫ロボットの導入は当社として初めての試み!
---- MCLOGI様として倉庫ロボットの導入は初めてでしょうか。
MCLOGI様: はい。当社では今回、初めて倉庫ロボットを検討し、棚を搬送するGreyOrange社のRanger GTPを導入しました。過去に倉庫作業をサポートしてくれるロボットを使っていたことはないですね。
マテハン機器を導入して業務の効率化を図ろうとしたことはこれまでにもあったのですが、ピッキングをメインとしたRanger GTPのようなロボットを取り入れた経験はなかったので、正直、導入前にはいろいろと不安もありました。
実際に導入してみての声・感想
---- ご不安を感じられていたということですが、当時の不安や実際に導入してみてのご感想をお聞かせ願えますでしょうか。
MCLOGI様: 当社では、架空の荷物を使用したテスト稼働を行わず、実証実験段階からお客様の商材を使って出荷業務を進めました。そのため、ロボットがちゃんと動いて問題なく業務をこなせるのかどうか、気を揉んでいた記憶があります。
また、作業員の安全面に対しても少々不安を感じていたことは事実です。事故が起きずに安全な作業をやり遂げられるのかどうかは、特に不安だったことを覚えています。
実際には、最初こそ初期設計などの調整が必要でしたが、Robowareのカスタマーオンボーディングの支援で問題なく導入できたと感じています。作業員が入れるエリアと入れないエリアを分ける事で、安全面も担保できていました。稼働も問題なく、現段階では大きなトラブルもなく出荷業務を進められています。
●導入して良かった点
---- Robowareを導入して良かった点をお聞かせいただけますでしょうか。
MCLOGI様: 導入して良かった点は多々ありますが、まだまだ同業他社の中でもロボットを利用した自動化が進んでいない中で、MCLOGIが先駆けて自動化に取り組めた点が一番かなと思っています。
物流業界はなかなかデジタル化が進まない業界ですが、そんな現状の中で、最先端の技術を取り入れるという取り組みには満足しています。サポートが迅速かつ丁寧な点にも魅力を感じています。
●現場の方の反応はそれぞれだが、今後の生産性向上へ更なる期待を持っている
---- 現場の作業員の方々やお客様の反応はいかがでしょうか。
MCLOGI様: 倉庫を自動化するときに荷主様からは「パフォーマンスが改善するのであればロボットが稼働していてもOK」と了承を頂いていたので、実際に動いている場面を見ていただいたときは「さすが最先端の技術を取り入れているよね」と好意的な反応が多かったですね。
作業員の反応はそれぞれでした。すぐに操作に慣れて「ゲーム感覚で楽しい」と話す者もいれば、システムを利用するのが初めてで、慣れるまでに少し時間がかかっている者までいます。とはいっても、システムに慣れていない点については導入してまだ日が浅い部分も原因にあると考えているので、もう少し時間が経てばより一層生産性が向上していくのではないかと感じています。
●今後期待したい部分や機能の要望
---- 今後、Robowareに期待する部分や機能要望をお聞かせ願えますでしょうか。
MCLOGI様: Robowareは、標準APIで倉庫管理システム(WMS)と接続することもできますが、接続をせずマニュアルでデータ連携することも可能です。スモールスタートして徐々に拡大してきたことから、現在WMSとは一部接続しているだけで、CSVデータのアップロード作業も発生していて二重管理になっている部分があります。今後、完全な接続も予定しているので、引き続き迅速なサポートと、精度の向上をお願いできると嬉しいです。
Robowareの活用という面で言うと、現状ではピッキング作業の分野で業務の効率化には一定の成果を達成できています。前後工程の効率化にも取り組んでいきたいので、複合的にRobowareを利用していけたらいいですね。
後工程では未だ多くの作業をアナログに頼っている状況にありますし、せっかくRobowareを導入して一部を自動化できているので、マテハン機器なども導入して全工程の自動化を検討しても良いのではないかという展望はあります。あとは新規顧客獲得にも力を入れていきたいので、ぜひ良い案件をご紹介いただければ(笑)
並行して少しずつ機能を拡張していき、商品化も進めたいというのが今後の展望です。
●Robowareを使って取り組んでいきたいこと
---- 最後に、Robowareを使って取り組んでいきたいことを教えてください。
MCLOGI様: 倉庫では毎日お客様から受けた指示を入出庫でこなしていくので、毎日ヒヤヒヤする気持ちはありながら、出荷が無事に終わった後はいつも達成感を感じています。Robowareの導入で社内のロボット化に対する意識も少しずつ高まってきているので、新たな道が開けたのではないかと感じています。
費用対効果の面で考えると、現状の状態ですぐに成果が出るというよりも、人手不足がより深刻になるであろう10年後、20年後に最大化するのではないかと思っていて、どちらかというと将来を見据えた投資の意味合いが現状では強いです。
将来的に労働力不足がもっと深刻になってきた段階でいつか作業費とロボットの費用が交わる瞬間が訪れると確信しており、今はその準備期間として捉えています。生産性の向上やピッキング以外でも、いろいろな面で業務の効率化を目指して、今後もさまざまなRobowareの活用を模索していく予定です。
---- 弊社からもさらに効率的な運用をご提案させていただけるよう取り組んで参ります。本日はありがごとうございました!
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