最終更新日:2026.11.05

公開日:2026.11.05

  • #基礎知識

ピース・ケース・パレットの違い|物流の荷姿単位と自動化の関係

はじめに

物流の現場では、同じ商品でもどの単位で扱うかによって、作業内容も設備も大きく変わります。その単位を表すのが「ピース」「ケース」「パレット」です。

この3つは日常的に使われる言葉です。しかし自動化を検討する段階になると、この単位の違いが選べる手段を決定づけます。パレット向けの設備はピースを扱えませんし、その逆も同様です。
この記事では、3つの単位の違いと、単位ごとに変わる作業・設備の特徴を整理します。

ひとことでいうと

ピースは商品単品(バラ)、ケースは複数のピースをまとめた段ボール箱、パレットは複数のケースを積載したものを指します。ピースからパレットへと単位が大きくなるほど、1回の作業で動かせる量は増え、作業回数は減ります。逆に単位が小さいほど作業回数が増え、人手がかかります。現在の物流は、ECの普及によってピース単位の比率が高まる方向にあり、それが庫内作業の負荷増大の主因になっています。自動化を検討する際は、自社の出荷が主にどの単位で発生しているかを先に確認してください。扱う単位が、選べる機器の範囲をほぼ決めます。

3つの単位の定義

ピース(Piece)

商品の最小単位です。消費者が購入する1個そのものを指し、「バラ」「単品」とも呼ばれます。 飲料であれば1本、化粧品であれば1個、アパレルであれば1着がピースにあたります。ECの注文は基本的にピース単位で発生します。

ケース(Case)

複数のピースをまとめた梱包単位です。一般的には段ボール箱に入った状態を指し、「ボール」「カートン」と呼ばれることもあります。 例えば飲料であれば24本入り1ケース、菓子であれば12個入り1ケースといった形です。メーカーから出荷される際の標準単位であり、小売店舗への納品もケース単位が多くあります。

パレット(Pallet)

複数のケースを積載した荷役台、またはその状態を指します。フォークリフトで一括搬送できる単位です。 日本で最も普及しているのは1100mm×1100mmのパレットで、その上に数十ケースを段積みします。工場から物流センターへの輸送、倉庫内での保管は、多くがパレット単位で行われます。

3単位の比較

比較項目 ピース ケース パレット
内容 商品単品 ピースの集合(段ボール) ケースの集合(パレット)
別名 バラ、単品 ボール、カートン —
重量の目安 数十g〜数kg 数kg〜20kg程度 数百kg〜1t超
搬送手段 手、カート、コンベヤ 台車、コンベヤ フォークリフト、パレット搬送機
保管場所 軽量棚、ケース自動倉庫 中量棚、流動ラック パレットラック、平置き
1回で動く量 小 中 大
作業回数 多い 中 少ない
主な発生場面 EC、通販、店舗の棚補充 小売店舗への納品 工場からの出荷、拠点間輸送

単位が小さくなるほど作業は増える

物流の負荷を考えるうえで、重要な原則があります。

同じ1,200本の飲料を動かす場合を考えてみます。

  • パレット単位:1パレットに50ケース、1ケース24本なら、1回の搬送で完結します
  • ケース単位:50ケースを扱うので、50回の作業が発生します
  • ピース単位:1,200本を1本ずつ扱うなら、1,200回の作業が発生します

扱う物量は同じでも、作業回数は桁違いになります。そして作業回数は、そのまま人件費と作業時間に直結します。

単位ごとに変わる保管方法

ピースの保管

小物を多品種保管するため、間口の数が重要になります。軽量棚やケース自動倉庫が使われ、1つの間口に1SKUを割り当てるのが基本です。SKU数が多いほど必要な間口が増え、庫内を歩く距離も長くなります。

ケースの保管

中量棚、流動ラック、パレットラックの下段などが使われます。先入れ先出しの管理が必要な商材では、傾斜とローラーで自動的に手前へ流れる流動ラックが有効です。

パレットの保管

パレットラックまたは平置きです。高さ方向を使えるため床面積あたりの保管効率は高くなりますが、フォークリフトの通路幅が必要になります。通路が全体の面積を圧迫するため、保管効率と作業効率のバランスが課題になります。

保管方法の選択肢については自動倉庫とは、マテハン機器とはもあわせてご覧ください。

単位ごとに変わる自動化手段

自動化を検討する際、扱う単位で選べる機器が変わります。。

単位 主な自動化手段
ピース 棚搬送型ロボット(GTP)、DPS、ピースピッキングロボット、立体型仕分けロボット
ケース ケース自動倉庫(シャトル)、AMR、コンベヤ、デパレタイザ
パレット パレット自動倉庫、パレットシャトル、無人フォークリフト(AGF)、パレタイザ

自社の単位をどう把握するか

出荷データから次の3点を確認してください。

  1. 出荷行数の単位別構成比:ピース出荷、ケース出荷、パレット出荷がそれぞれ何%か
  2. 作業時間の単位別配分:どの単位の作業に最も人時を使っているか
  3. 数年前との変化:ピース比率が上がっていないか

ピース工程の改善についてはピッキング方式3種類の違いと使い分けで、進め方の選択肢を解説しています。

よくある質問(FAQ)

Q. ピース・ケース・パレットの違いは何ですか?

A. 商品を扱う単位の違いです。ピースは商品単品(バラ)、ケースは複数のピースをまとめた段ボール箱、パレットは複数のケースを積載した荷役台を指します。単位が大きくなるほど1回で動かせる量が増え、作業回数は減ります。

Q. なぜピース単位の作業が増えているのですか?

A. ECの普及が主な要因です。以前は小売店舗へケース単位で納品していた商品が、消費者へ直接ピース単位で出荷されるようになったためです。物量が同じでも、単位が小さくなると作業回数は大幅に増えます。

Q. ボールとケースは違うものですか?

A. 同じものを指すことが多い言葉です。地域や業界によって呼び方が異なり、「ボール」「カートン」「ケース」はいずれも複数のピースをまとめた梱包単位を指します。取引先との認識違いを避けるため、社内で呼称を統一しておくと安全です。

Q. どの単位から自動化すべきですか?

A. 作業時間を最も使っている単位から検討するのが基本です。多くの現場ではピース工程に人時が集中しています。出荷金額ではなく、作業時間ベースでどの単位に負荷がかかっているかを確認してください。

Q. 1つのシステムで複数の単位に対応できますか?

A. 機器によります。パレット専用、ケース専用といった設計の機器がある一方、棚の構成を変えられる棚搬送型ロボットのように、小物から長尺物まで幅広く扱える方式もあります。複数単位を扱う現場では、対応範囲を事前に確認してください。

まとめ

ピース・ケース・パレットは、単なる呼び方の違いではなく、作業量と必要な設備を決める区分の指標でもあります。

  • 単位が小さいほど作業回数が増え、人手がかかる
  • 扱う単位によって、選べる保管方法と自動化手段が変わる

自動化の検討を始める際は、機器のカタログを見る前に、自社の出荷がどの単位で、どれだけの作業時間を使っているかを確認してください。それが分かれば、見るべき機器の範囲は大きく絞り込まれます。

Robowareでは、現場の作業実態の分析から、適した自動化手段のご提案までを行っています。どの工程から手をつけるべきか判断がつかない段階でも構いません。まずはお気軽にご相談ください。

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◆この記事を書いた人◆

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執筆者:Robowareマーケティングチーム
Robowareは、Gaussy株式会社が運営する物流ロボットサービスです。Gaussy株式会社は、2022年に三菱商事の物流開発部の事業がカーブアウトする形で新設された会社です。国内で検証済みのロボットをソフトウェア・カスタマーサクセスを三位一体で提供しています。ロボットを販売して終わりではなく、運用を最大化するための伴走できる体制が強みです。
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