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最終更新日:2025.06.10

公開日:2025.06.10

  • #基礎知識

物流自動化の費用の目安と費用対効果を高めるコツ

はじめに

昨今の物流業界では業務効率・改善を行うために自動化に取り組む企業が増えてきています。物流自動化と聞くと「ウチには関係ない話だ…」「費用が高くて、とても手が出ない」。と考えてしまう人もいるかもしれません。
しかし物流自動化は、大企業だけのものではありません。むしろ、人手不足が深刻化する現代において、中小企業こそが導入を検討すべき重要な課題です。
この記事では、「物流自動化って、実際どれくらいお金がかかるの?」「費用に見合う効果はあるの?」といった疑問に事例を交えながら紹介していきます。

物流自動化がなぜ必要なのか?

1.人手不足の深刻化
日本では、働く人の数がどんどん減っています。内閣府が発表している「令和5年版高齢社会白書」では、2030年には総人口のうち33%が65歳以上となっています。総人口数も右肩下がりとなっている状況です。
また物を運ぶトラックドライバーの年齢構成も45~59歳がコアで45%も占める割合です。29歳以下はわずか10%と明らかに担い手が少ない現状となっています。(出典元:厚生労働省「統計からみるトラック運転者の仕事」)

2.コスト削減
人件費は、企業にとって大きな費用の一つです。物流業界は長年、高度な技術・品質の提供を人手の作業で行ってきました。前述した人手不足の影響で、人が集まらないだけではなく時給の高騰や人を集めるために高時給にしなければならない状況があります。高品質な物流を提供するには人件費の削減がカギとなります。

3.物流品質
人手が足りない状況で、一人あたりの作業負担が大きいとミスに繋がりやすくなります。人手による作業は、ヒューマンエラーによるミスを避けることができません。ミスが起これば作業効率も低下し、物流品質が低下していきます。

これらの課題は、最新のシステムやロボット、機械を活用することで解決が可能です。物流自動化は、安定して商品を届けられるようにするために、とても重要な役割を担っているのです。

物流自動化の費用はどのくらいか?

さて、今回の記事で最も気になるテーマである「費用」。自動化=高額なイメージがありますが、自動化の種類や手法によって大きく変わってきます。

1.物流センター全体を自動化する

自動倉庫システム自動倉庫システムとは、倉庫内の入庫、保管、出庫といった一連の作業を自動化するシステムです。
費用感数億円〜数十億円(規模によって変動)

2.作業工程を部分的に自動化する

倉庫管理システム(WMS)倉庫内で商品の入庫、保管、出荷、在庫管理などの業務を効率化し、一元的に管理するソフトウェアのことです。人の手で行うより格段に早く正確になります。
費用感数十万円〜数千万円(クラウド型、スクラッチ型等で金額は変動)
無人搬送車(AGV)自動で荷物を搬送をしてくれる小型のロボットです。人が重い荷物を運ぶ必要がなくなるので作業負担軽減や安全性の向上に繋がります。
費用感1台数百万円〜(台数や規模によって変動)
自動仕分け機配送先ごとに自動で仕分けたりする機械です。マテハンといわれる大規模なものから小型のロボット型まで様々な形態があります。
費用感マテハンの場合は数千万円〜数億円(規模によって変動)、立体型ミニソーター約3,000万円

これらは一例ですが、数十万円〜数十億円と費用感は様々です。倉庫の自動化で費用は重要な選定要件になりますが、初期の費用が「安い」からという判断だけではなく、 中長期で運用効果を出せるものかや利益拡大に繋がるものであるかも鑑みて検討することをおすすめいたします。

本当に費用対効果があるのか?自動化メリットについて

中長期で投資といえども、多くの費用をかけてまで自動化を推進する必要があるのか不安ですよね。また失敗をしたくないのも事実です。ここでは自動化をするメリットについて解説していきます。

1.人件費の削減と人手不足の解消
記事冒頭で記載した通り、日本国内では人手不足が深刻化しています。仮に現状は、人手で間に合ったとしても3年後、5年後、10年後には対応ができなくなり事業継続の危機の可能性もあります。自動化を導入することで、これまで人が行っていた作業を機械やロボットが代わりに行うようになります。これにより、人件費を削減できるだけでなく、そもそも人手不足で作業が回らないという問題を解決できます。
例えば、機械を活用すれば深夜や休日の運用も可能になるので、投資回収も早くなり、利益拡大にも繋がっていきます。

2.業務効率化と生産性の向上
人が作業する場合は、休憩が必要だったり、労働時間の制約があります。また人によって作業スピードが異なるので、今日は遅い、明日は早いなどのばらつきがでて生産目標達成のために残業をしたりと非効率になりがちです。
自動化をすれば、作業スピードは早くなるだけではなく平準化するので生産目標のスケジュールがたてやすくなり効率的になります。

3.業務精度と物流品質の向上
人手で作業する以上ヒューマンエラーは避けられません。どれだけ気をつけていてもミスをしてしまうことがあります。
しかし、機械やシステムはプログラムされた通りに正確に作業を行うので、誤出荷や不良品を減らし、お客様に安心して商品をお届けできるようになります。顧客からの信頼度向上にも繋がってきます。

4.作業者への負担軽減と満足度の向上
自動化によって、重い荷物を運ぶ、間違いないように気を張るなどといった体力的・精神的に負担の大きい作業から従業員を解放することができます。
従業員が働きやすい環境になることで、会社への満足度も上がり離職率低下に繋がります。

5.将来の対応力アップ
自動化を行うことで、省人・省力でありながら作業効率アップが見込めます。作業を受け入れるキャパが拡大するので、将来的に物量が増えても対応することが可能です。受け入れる量が多くなれば、売上向上にも繋がります。

自動化に成功した事例

ここでは自動化に踏み切って成功した事例について紹介していきます。

・中小零細企業こそはやく自動化に取り組んだ方がいい
株式会社スミレ・ジョイント・ロジの山口社長は、ほぼ毎月自社の倉庫で自動化についての見学会や講演を行っています。

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2016年頃から倉庫の自動化を検討し始め、今では各物流センターで自動梱包機や仕分けロボットを導入し、様々な自動化に取り組んでいます。山口社長は、現場の意見に耳を傾けどの工程を簡略化できるか、従業員が困っているところから自動化をすすめて結果として結びついていると語っています。その結果として仕分けロボットを導入したことで、ECの仕分け効率が200%アップしました。

自動化の費用対効果を高めるコツ

ここまで事例やメリットを紹介してきましたが、やはり投資したものに対して効果を高めたいもの。段階的に自動化することで成功するコツを説明していきます。

1.まずは部分的な自動化から始める
いきなり全てを自動化するには、莫大な費用がかかってしまいます。自社の物流でボトルネックとなっている工程はどこか?自動化を導入して効果が大きくでそうな工程はどこか?を分析し、自社の課題を明確化し、少しずつ始めることが重要です。

2.費用対効果を見える化できるようにする
自動化にどれくらいの費用がかかり、それによってどれくらいの効果(人件費削減、作業効率アップなど)が得られるのかを、事前にしっかりと計算し、数字で「見える化」することが大切です。

例えば、「このシステムを導入すれば、〇年間で〇〇万円の人件費が削減できるから、投資回収期間は〇年だ」というように、具体的な数字でシミュレーションしてみましょう。そうすることで、本当に投資する価値があるのかどうかを客観的に判断できます。

3.信頼できるベンダーと話を進める
機械やシステムの選定には、性能や価格、運用の柔軟性など多くの項目で比較検討が必要です。費用対効果の試算や自社の課題に寄り添ってくれるか等、信頼できるベンダーに相談することも成功までのコツです。

まとめ

物流自動化は他人事ではなく、人手不足やコスト増といった物流の課題を解決し、会社の競争力を高め、持続可能な経営を実現するための「賢い投資」です。「どこから手をつけていいか分からない」という方も、まずは自社の課題を明確にし、専門家に相談することから始めてみてください。
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1. はじめに

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