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最終更新日:2024.05.17

公開日:2024.05.08

  • #基礎知識

EC物流とは?仕組みと課題や改善ポイントまで解説

1. はじめに

はじめに

インターネットの普及、生活様式の変化も相まってオンラインショッピングは日常生活になくてはならない存在です。インターネットを介して注文をしたら、早ければ当日中に届くようにもなりました。このような仕組みを支えているのがEC物流です。この記事では、EC物流の基本的な仕組みや流れ、課題点、改善ポイントについて紹介しています。

EC物流とは

EC物流とは、EC(Electronic Commerce/電子商取引)に付随する物流システムのことで、EC事業を展開する会社の物流プロセスを指します。一般的にEC物流は、EC事業者が商品を倉庫から出荷し、購入者の自宅に届けるまでの一連の流れのことです。EC物流では、商品の入荷、オーダー管理、仕分け、梱包、返品対応など幅広い物流業務をカバーしています。

※TOP画像著作者:Freepik

EC物流の流れ

一般的なEC物流業務の流れをみていきましょう

・入庫
商品が倉庫に入庫されます。荷主であるEC事業者から荷物が届くので、入庫伝票を参照しながら商品の内容や規格に誤りがないか確認します。EC物流では、多品種小ロットの商材を扱うことが多いのでかなり複雑化しています。商品を効率よく倉庫内に収めることが重要なのでデジタル化やカスタマイズされたシステムが必要となります。

・ささげ業務
ささげ業務とは「撮影(さ)」「採寸(さ)」「原稿作成(げ)」の頭文字をとった略称でECサイトで販売する商品の情報制作業務のことです。商品の写真やサイズ情報など、購入の意思決定を行うために重要な役割です。また返品やクレームをなくすためにも大切です。

・棚入れ
入庫された商品を倉庫内の所定の棚に保管します。倉庫によって様々ですが、小さいものから大きいものまであるので商品の特性に基づいて効率よく棚割りをする必要があります。そして、棚入れした商品がどの位置にあるかを正確に管理する必要もあります。

・保管、管理
保管の工程では、商品ごとに最適な保管環境を徹底することが求められます。例えば、湿気に弱い商品の場合は除湿環境や湿度が厳格にコントロールされた場所に保管しなければなりません。また、動きやすい商品、返品の頻度なども鑑みて作業しやすいロケーションにする必要があります。

・ピッキング、仕分け、検品
注文があったらその注文指示通りに、倉庫の作業者が所定のロケーションからピッキングをしてきます。ピッキングの方法がシングルピッキングの場合は仕分けが不要で、トータルピッキングの場合は一人のオーダーごとに仕分ける作業が発生します。ピッキングした後は、出荷指示通りの商品が揃っているか検品をします。

・梱包、出荷
梱包作業では、商品の大きさに合わせたダンボールや緩衝材が必要です。配送費用も高くなっているので最も合理的な梱包を徹底することが配送費用を圧縮するカギとなります。また梱包の際に要望によりチラシやノベルティを同梱する加工作業が発生する場合もあります。
梱包が完了したら配送先を登録し、配送業者に引き渡していきます。EC物流では、即日出荷を求められることが多いので商品を集荷時間までに大量に完璧に処理していかねばなりません。2024年問題の影響でこの集荷時間の締め切りが早まったりしています。

・返品対応
EC物流特有の何らかの理由で返品対応を受けなければならない場面が多くあります。商品の誤配送、顧客の都合など様々です。返品対応が悪い場合、顧客満足度にも影響するのでしっかりオペレーションを組むことが必要です。

EC物流の課題と改善ポイント

EC物流は、物流業界全体に言えることですが人手不足と作業負担が大きいなど多くの課題があります。

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1、人手不足

物流業界全体で労働力となる人手不足が大きな課題です。EC物流は季節要因などで物量の波動があり大きく変動し、受注量が増えるとそれを処理する人が不足し対応できなくなります。人手不足のまま作業を進行すると、出荷ミスが発生しやすく、出荷遅延にもなり売上が減少する原因に繋がります。スポットで人手を増やしたり残業代を通常より多く払っても人的コストが嵩んでいくその場しのぎの対応となり根本的な解決にはなりません。
この課題を解決するには、作業の標準化・効率化が必要です。作業の属人化を避けるためにアナログの作業を減らしデジタルやシステムを活用して標準化が可能です。人が行っていた煩雑な作業をシステム化してしまえばヒューマンエラーがなくなりスピードもアップします。

2、作業ミスの発生

EC物流には出荷までに多くの工程があり、更には多品種小ロットという特性もあり作業ミスが発生しやすい環境です。作業ミスの発生は顧客満足度に大きく影響するのでミスを防がなければなりません。EC物流の物流波動による急激な作業量が増加すると出荷ミスがどうしても上昇してしまいます。特にミスが発生しやすい工程は、ピッキングや仕分け、検品ミスです。前述した通りここでも属人化を避け、機械化や自動化、システム化することが改善のポイントになります。

誰もが間違えようとして間違えているのではないので、その作業者の負担をいかに減らして品質を高められるかを理解していかなければなりません。例えば、検品作業が不要になるようにピッキングや仕分け工程にロボット(機械)を介在させミスを減らすという手段があります。機械的に判断してくれるので作業者は別の作業に集中することができるのでミスなく品質を高めることができるようになります。

3、倉庫内のスピードアップ

人手不足や作業ミスの発生の項目では、標準化や効率化が必要とお伝えしてきました。この項目も重要ですが、EC物流では作業の「スピードアップ」も課題であり改善ポイントとなります。

(例)

  • 倉庫に入荷→ECサイトに情報をアップロード
  • オーダー→出荷→顧客に届く

WEBサイト上で、入荷した新商品をいかに早く多くの人に見てもらえるか、オーダーを受けたものがいかに顧客の手元に早く届くか。顧客満足度と連動しており、売上を上げるためには、スピードアップが一番重要とも過言ではありません。

人手に頼った作業を継続すると、万が一、作業の担当者が欠員してしまった場合に滞ってしまい満足度の高いサービスが提供できなくなってしまいます。したがって、誰でも一定の作業ができる標準化と売上とサービス向上のために人手に頼りすぎない自動化の推進が必要となってくるのです。

EC物流を効率化させる方法

ECにおける物流で課題の解決や効率化させる方法の一例を紹介していきます。ピッキングや仕分け工程でミスが発生しやすいと前述しましたが、その工程をロボットで課題解決、効率化を図ることが可能です。

・ピッキングエリアにAMRを導入する
AMRは自律型走行ロボットと言われるもので、カメラやセンサーで周辺環境を感知し走行するロボットです。AMRは、小さくて軽いものしか運べないイメージが多かったのですが最新のAMRでは重量物も搬送することが可能になりました。このAMRは、既存のエリアにそのまま導入することができるので大きなオペレーション変更なく使用ができます。
ピッキングの作業負担とその後工程の効率化にも繋がるトータルピッキングのアシストとしてAMRを活用するのがEC物流には有効です。トータルピッキングは、複数のオーダーをまとめてピッキングする方法です。ピッキングした後に仕分け工程が発生してしまいますが、ピッキング時の作業や倉庫内を歩き回る必要がないので負担も減り、ミスが少なくなります。AMRを導入することで、作業者は自分のエリアにくるロボットに必要な商品を載せるだけで済むようになります。


・仕分けロボットで高速仕分けする
トータルピッキングした場合には仕分け作業が発生すると前述しましたが、その仕分け工程をロボットが高速で仕分けることができます。あらかじめロボットにオーダーを送っておくので、ロボットがそのオーダー毎に仕分けをしてくれるので数量や商品の誤りが発生しません。万が一、間違ったものを投入しても仕分けられずにオーダーにないものとして別の場所に一時保管されます。作業者は数を数えたりする必要がないのでミスもなくなり結果的に品質向上に繋がります。

EC物流で仕分けロボットを導入した事例

実際にEC物流事業者で仕分けロボットを導入した事例を見ていきましょう。

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EC事業特化型の物流代行サービス「ウルロジ」を展開しているディーエムソリューションズ株式会社様では、ECモールのセール、SNSでの拡散による急激に受注件数が増加する物流波動にどう対応するかが課題となっていました。出荷作業が増加するとどうしてもスタッフに負荷がかかりミスの確率も上昇。安定した物流品質を提供するために、工数軽減、省人化、省力化を図る高速仕分けロボット「オムニソーター」の導入をしました。オムニソーターの導入で、作業内容に変更が入ったりしましたがピッキングミスや検品レスに繋がり、品質向上と効率化に成功しました。


まとめ

ここでは、一般的なEC物流の内容や課題を解決するためのポイントの一例を紹介しました。今後もインターネットを通じた販売が増えていき必然的に物量が増えていくことが予想されます。今はまだ作業ができていても今後を見据えて現場の効率化や品質向上について検討していくことをおすすめします。ヒューマンエラー防止や作業負担軽減、効率化に倉庫ロボットという手段があるので、選択肢の一つとして検討してみるのも良いかもしれません。はじめての倉庫ロボットパートナー「Roboware」は、導入前から導入後の保守・運用まで一気通貫のサービスです。まずはサービス資料をご覧ください。

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