最終更新日:2024.08.13
公開日:2024.08.13
- #基礎知識
トータルピッキングとは?用語とメリットを解説
はじめに
この記事では、物流現場で使われる基本的な用語解説とメリット、デメリットについて紹介しています。トータルピッキングやシングルピッキング、マルチピッキング等、いくつかのピッキング方法があります。ここではトータルピッキングについてです。
ピッキングとは
そもそも「ピッキング」とは何のことを指しているのでしょうか?ピッキングは、出荷指示をもとに保管場所から商品を取り出し集めてくることを言います。このピッキングの方法にいくつかの種類があるのです。
トータルピッキングとは
トータルピッキングは、複数の注文を一度にピッキングする手法です。種まき方式、バッチピッキング等とも呼ばれることがあります。
例えば、3名のユーザーから以下のような注文があったとします。
トータルピッキングの場合、Aさんの商品のみを必要個数分集めるのではなく、A〜Cさんの必要個数分をまとめてピッキングをします。
今回の場合、りんご9個、すいか12個、にんじん15個をまとめて商品を取り出していき、仕分け工程に持っていき、ユーザーの注文ごとに梱包して発送します。
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トータルピッキングのメリット
1、作業者の歩行距離削減
注文ユーザーごとではなく、複数の注文オーダー分をまとめてピッキングしてくるので保管場所から仕分け場所までの距離を削減することができます。作業者の疲労軽減にも繋がります。
2、効率的な作業フローになる
一度のピッキングで複数のオーダー分を処理するので、作業フローが効率的になります。また倉庫内に滞在する作業者を削減できるのでスムーズな移動もできるようになります。
トータルピッキングのデメリット
1、作業工程の増加
トータルピッキングの場合、まとめてピッキングした後にオーダーごとに仕分けをしなければなりません。また仕分け後の検品も必要です。シングルピッキングと比較すると工程が増えることがデメリットです。
2、仕分け作業のスペースが必要になる
トータルピッキングでは、商品をまとめてピッキングした後、大量の商品を仕分ける必要があるため、余裕をもった作業スペースが必要になります。
トータルピッキングを効率的にする方法
トータルピッキングは、ピッキング作業を効率化させるための方法ですがデメリットも生じてしまいます。このデメリットは工夫によって最小限にすることが可能です。
1、検品作業を削減する
トータルピッキングした後に検品し、仕分け作業をし、また検品・梱包と作業工程が増えてしまうのですが、この検品作業を削減することができます。例えば仕分けロボットを活用した場合、トータルピッキングをした後にロボットに仕分け作業を任せてしまえば、検品レスになります。仕分けロボットは指示された商品、数量だけを仕分けてくれるので間違えることがありません。
2、作業スペースを最小限にする
トータルピッキング後には、どうしても仕分け作業が発生します。その作業スペースを最小限にすることで庫内全体のスペース効率、生産効率アップに繋がります。この場合は、立体型の仕分けロボットを導入すればデッドスペースになりがちな倉庫の天井を有効活用できるので倉庫全体の生産性アップにも繋がります。
まとめ
トータルピッキングは、出荷業務において非常に効果的な手法です。作業効率の向上やコスト削減、倉庫スペースの最適利用など、多くのメリットがあります。しかし、導入にはオペレーション変更などのデメリットも存在します。これらを踏まえ、自社の状況に合わせた最適な方法を選択することが重要です。物流担当者として、トータルピッキングの導入を検討する際には、しっかりとした計画と準備が必要です。
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