最終更新日:2024.11.12
公開日:2024.11.11
- #基礎知識
倉庫の温度管理とは?
はじめに
倉庫の温度管理は、品質や安全性を保つために必要な項目です。食品をはじめ様々な商品で適切な温度管理が求められます。ここでは、倉庫の温度管理についての基礎知識や重要性、運用ポイント等を紹介していきます。
倉庫の温度管理の基礎知識
倉庫の温度管理は、物流業務において商品の品質を守るために行われます。倉庫の温度については、貨物(商品)に合わせて決められていて定められた温度設定より上回ったり下回らないよう厳格に調整や管理を行います。
■倉庫の温度管理の方法
倉庫内の温度管理には、温度計の設置だけではなく二重扉の設置、業務用断熱カーテンの設置、冷風機の設置、温湿度管理システムの導入など多岐にわたります。このように様々な工夫を行うことで商品の品質を保っています。
温度管理を怠ると商品に以下のようなトラブルが発生してしまいます。
・商品の破損や変色
・商品の品質低下
・カビや細菌の発生
・商品劣化による食品事故
これらは、商品を無駄にするだけではなく顧客や消費者の信頼を失う大きな問題へとつながってしまいます。特に食品は温度管理が厳しく厚生労働省のマニュアルでも細かく記載されています。
このようなトラブルを避けるために、倉庫の温度管理についてはきちんと知識を身につける必要があります。
■倉庫の保管温度帯の種類
倉庫には保管する商品に合わせて「保管温度帯」と言われる4つの区分があります。4温度帯と言われます。それぞれの温度帯は以下の通りです。
常温倉庫 | 外気温と同じ温度 | 家具や建材、金属部品等 |
---|---|---|
定温倉庫 | 10~20℃の温度帯 | 医薬品、菓子類、精密機械等 | 冷蔵倉庫 | 10℃以下 | 生鮮食品、乳製品等 | 冷凍倉庫 | -20℃以下 | 肉、魚介、アイスクリーム等 |
常温倉庫は温度調整を行わない倉庫です。最も一般的な倉庫と言われ、設置コストが安価で棟数も多い倉庫です。棟数が多い分、幅広い貨物を保管することが可能です。倉庫は四季の影響を受けやすく夏は暑く冬は寒いのも特徴となっています。立地面の影響を強く受けやすいので、海の近くでは塩害の影響がでてくるので、商品によっては考慮する必要があります。
定温倉庫は決められた温度を保つ倉庫です。保管温度帯は10℃〜20℃で、その中でも貨物に合わせた温度と湿度を設定できます。温度変化に弱い商品や結露による故障リスクの高いものを安定した品質で保管できます。
次に冷蔵倉庫は、主に冷凍に適さない食品を保管します。保管温度帯は、-20℃〜10℃です。冷蔵倉庫の中でも更に細かい温度帯による分類があり、C1〜F4級に分けられています。冷蔵倉庫の分類については後述します。
冷凍倉庫は、食品の中でも長期保存、鮮度を重視する食品を保管するのに適しています。冷凍のまま流通や販売する商品も冷凍倉庫での保管になります。
■冷蔵倉庫の保管温度帯
前述で冷蔵倉庫にはC1〜F4級まで分けられていると紹介しました。冷蔵倉庫の中でも更に細かく分けられている理由としては、食品の種類によって異なる最適な温度に対応できるようにしているためです。C級(クーラー級)、F級(フリーザー級)と呼ばれています。
【分類】 | 保管温度帯 | 製品の例 |
---|---|---|
C3級 | -2~10℃ | 穀類、菓子類、調味料など | C2級 | -10~-2℃ | 乳製品、畜肉、鮮魚介、練り製品、冷凍食品など | C1級 | -20~-10℃ | 乳製品、畜肉、鮮魚介、練り製品、冷凍食品など |
■冷凍倉庫の保管温度帯
冷蔵倉庫同様に冷凍倉庫も更に細かく分けられています。
【分類】 | 保管温度帯 | 製品の例 |
---|---|---|
F1級 | -30~-20℃ | 畜肉、鮮魚介、アイスクリームなど | F2級 | -40~-30℃ | 畜肉、鮮魚介、アイスクリームなど | F3級 | -40~-50℃ | 冷凍まぐろなど | F4級 | -50℃以下 | 冷凍まぐろなど |
倉庫における温度管理のポイント
食品に限らず商品によって温度管理が必要とわかりましたが、ここでは管理のポイントを紹介します。
1、温度の管理や記録がシステム化されているか
温度管理で重要なポイントは連続性のある温度記録です。システムを活用していれば数分単位で温度を確認できるので、万が一、問題があった際にもすぐに気づくことができリスクを最小限に抑えることができます。
2、商品に合った温度帯を知る
倉庫にはそれぞれ特性に応じた温度帯があり、品質の良い状態で消費者に届ける必要があります。近年では夏場の気温上昇の影響でアパレルや雑貨、部品なども定温倉庫で保管しなければならないケースも増えています。自社の取り扱う商品が劣化しないか適切な温度帯を見極める必要があります。
まとめ
今回紹介した内容は基本的な項目となります。ポイントを理解しながら、最適な倉庫を運営を進行するようにしましょう。
Related Articles 関連記事