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最終更新日:2024.11.22

公開日:2024.11.22

  • #基礎知識

アパレル物流とは?特徴や仕組みを解説!

1. はじめに

はじめに

アパレル物流とは、文字通り衣類や靴・バッグなどのアパレル関連商品をメインに取り扱う物流のことです。消費者へ届ける配送だけではなく、メーカーから商品を仕入れ、保管、検品などの一連の流れも含まれます。この記事では、アパレル物流の特徴や基本的な仕組み、課題について紹介していきます。

アパレル物流の仕組みと流れ

アパレル物流とは、衣類や靴・バッグなどのアパレル関連商品をメーカーから消費者へと商品を運ぶことだけではありません。倉庫内での入庫作業、保管、仕分け、検品などの倉庫内での一連の業務もアパレル物流の一環です。
アパレル物流の一般的な流れは以下の通りです。

アパレル物流の流れ.png

・荷下ろし
アパレル物流における荷下ろしとは、メーカーから倉庫に到着した商品を下ろすことを指します。

・入荷検品
倉庫に届いた商品が予定通りのもので数量が合っているかを確認する作業です。実際の商品と納品書に差異がないかを確認します。目視だけではなくバーコードをハンディで読み込んで検品する場合もあります。

・返品対応
アパレル物流の大きな特徴とも言えるのが、返品対応です。返品された商品の状態を確認し、問題がなければ在庫として計上したりします。消費者からのクレームにつながりやすい業務のため丁寧でスムーズな対応が求められます。

・仕分け/保管
メーカーから届いた商品を仕分けする作業のこと。倉庫内で決められたルールや場所に応じて商品を分けます。

・ピッキング
消費者の注文内容に沿って必要なものを取る(ピッキング)作業のことです。アパレルは商品ごとにサイズや色違いなど多くあるので、正確なピッキングとスピードが求められます。

・流通加工
商品にタグをつけたり、複数の商品をセットにしたり梱包したりする加工のことです。アパレルのプレゼント用のラッピングや複数点購入の箱詰めなどが該当します。

加工 作業内容
シール貼り・値札付け 値札やサイズタグなどを取り付ける
選択ラベル作成・縫い付け 海外製品など洗濯ラベルがない商品に日本の表示法に基づき洗濯ラベルを翻訳し作成する
セット組み 贈答品、福袋などに対応するため複数の製品を組み合わせる
プレス加工 製品にアイロンをかけて美しくみせる
封入作業 梱包する前にノベルティやチラシなどの販促品を封入する

・出荷検品/検針
出荷検品は、出荷前に商品に間違いがないか、汚れがないかどうかを確認する作業です。検針は、アパレル業界ならではの作業で縫い針が商品に残っていないかを確認します。ピッキングした後に、金属を検知できる機械に通してチェックを行います。

・梱包
ピッキングした商品を配送先ごとに分けてサイズの合った梱包箱に入れる作業です。商品の配送中に破損しないように緩衝材を詰めたりもします。

アパレル物流の特徴

アパレル物流の特徴は、季節や流行による影響を受けやすいことです。また、各商品カラー・サイズ展開があるため管理対象が多いことも特徴といえます。ここではアパレル物流の一般的な特徴と必要な対応について紹介していきます。

・SKU数と在庫数が多い
アパレルには、各商品カラーだけではなくサイズ展開もあるので1つのアイテムだけでもSKU数が増えてしまいます。

(例)
商品:Tシャツ
カラー:3色
サイズ:S/M/L/XL
→12SKU

上記のように1つのアイテムのバリエーションが多いのでSKU数も多くなりがちです。このように管理項目が多いので在庫管理システムを活用した在庫管理が必須です。

・流通量の予測が必要
アパレル物流では、季節やセールなどの影響で需要が頻繁に変化していきます。さらには近年は、SNSで話題となった商品が急激に出荷が増加し、在庫が切れてしまうなどの問題もあります。在庫切れは、せっかくの売り時の機会損失にもなってしまうので、需要やトレンドに対しての予測が必要です。

・最適な温湿度管理でアイテム保管が必須
アパレル関連商品は基本的に直射日光を避けなければなりません。倉庫内での保管は可能な限り劣化しないような環境を作ります。毛皮や羽毛など素材ごとに保管環境を整える必要があります。

・流通加工には知識や技術が必要
アパレル物流には、アパレル特有の流通加工が必要な場合があります。このような流通加工には知識や技術を要するものもあります。

このようにアパレル物流には、様々な専門的な知識や管理項目が複雑な場面が多いです。自社ですべて構築をすると時間と費用が大きくなるのでアパレル物流に特化したアウトソーシングの活用もおすすめです。

アパレル物流のアウトソーシング

アパレルの物流業務をアウトソーシングすることでメリット・デメリットがあります。やはり1番のメリットとしては、物流に関わるコストを削減につながることが多い点です。アウトソーシングの場合、アパレル物流に関して専門的な知識や業務を熟知しているので、自社で一から構築するコストを削減できます。しかし、物流のノウハウが自社に蓄積されないので将来的に自社で物流を構築する場合は注意が必要です。

アパレル物流をアウトソーシングする場合のポイント

・設備や出荷可能件数
アウトソーシング先の倉庫の設備や請負体制が自社のものに対応しているか、出荷までのリードタイム等も確認しましょう。近年の2024年問題で、ドライバー不足が問題となっています。ドライバー不足の影響で倉庫内での出荷締切時間も早まっていくので、出荷までの時間が自社の希望リードタイムと合うかを事前に確認しましょう。
倉庫内でドライバーに引き渡すまでの時間を早めるために、仕分けロボットを導入している倉庫もあります。アパレル物流は、SKU数だけではなく個口配送も多いのでピッキングや仕分け作業に負担が大きくかかっていることが実情です。アウトソーシング先の倉庫がそのような設備投資をしているかも持続可能な物流を目指すために確認する一つのポイントにもなります。

・請負可能な作業範囲
これまで述べてきたようにアパレル物流には特徴的な流通加工が発生することがあります。そのような流通加工ができるかをきちんと抑えましょう。

まとめ

アパレル物流には、他の物流とは異なる特徴や加工があります。自社の商品を高品質に届けるためにはどのような設備が必要かを確認しましょう。アウトソーシングをする際にも、必要な設備があり持続可能な物流網であるかをきちんと把握することが必要です。2024年問題だけではなく、人を雇うことが難しくなる2030年問題など先を見据えた物流施設・設備であるかも重要ポイントです。
大手アパレルECのZOZOでは、自社の物流拠点に仕分けロボットを導入。深刻な労働力不足が課題で、省人化しながら効率をあげることができたという事例です。今後は、このようにロボットを活用しながら消費者に高品質な商品を届ける事例が増えていくでしょう。

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