LIXIL様 x Ranger GTP

# 住宅設備
# 作業負荷軽減
# スペースの有効活用
株式会社LIXIL
2022-11-16
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課題
浴室事業部で取り扱うユニットバスの追加部材やアフターサービス用部材は多品種化が進んでいるため、これら部材を在庫するパーツセンターには広いスペースが必要であり、在庫エリアを歩行して出荷(集荷・梱包)作業を行うオペレーターの作業負荷をロボット導入により軽減するほか、在庫エリアスペースを圧縮し、その余剰スペースを有効活用すること
解決
ユニットバスの施工現場において追加で必要になった部材やアフターサービス部材の出荷(集荷・梱包)作業にかかる人手を約40%削減するとともに、在庫エリアスペースを40%削減し、空いたスペースを付加価値創出のためのスペースに活用することができた

モノづくり大国として世界を席巻した我が国の製造業も近年は人手不足や生産性、付加価値の向上が課題となり、既存の生産体制や設備、作業の仕方などを見直す動きが拡大しています。特に多様化する消費者ニーズに対応するため、製品の多品種化が進み、部品や製品の在庫スペース確保や出荷工程での作業の煩雑化、作業負荷の増大などの課題が顕在化しており、多くの製造業がその対応に迫られているのが実情です。

そのような中、自動化設備導入によりこれら課題を克服し、競争力増強を実現されているのが建築材料・住宅設備機器最大手のLIXIL様です。具体的には、弊社がRobowareサービスで提供している棚搬送型ロボット「Ranger GTP」をユニットバス生産拠点である筑波工場のパーツセンターに導入され、施工現場において追加で必要になった部材やアフターサービス用部材の出荷(ピッキング・集荷・梱包)作業の省力・自動化、ならびに在庫エリアの省スペース化で成果を挙げられています。

そこで今回は、同社 LWTJ 浴室事業部 浴室製造部 部長の日比野克俊様、ならびにLWTJ 浴室事業部 浴室製造部 筑波工場 製造技術課 基盤改革係 係長の折戸崇志様に「Ranger GTP」導入の背景・経緯をはじめや導入効果、今後のご計画などについてお話を伺いました。

「Ranger GTP」導入拠点である筑波工場とは

同社ユニットバスの国内最大拠点、1か月当たり1万6,000セットを出荷

LIXIL様は、2011年(平成23年)に国内の主要な建築材料・住宅設備機器メーカー5社が統合して誕生された業界最大手企業です。現在は世界150か国以上で事業を展開し、従業員数も約5万5,000人に達するグローバル企業であり、同社製品は日々10億人以上のお客様が利用されています。LWTJは、日本における水回り事業を所管しており、主にINAXブランド製品、具体的にはトイレ空間、浴室(ユニットバス)、水栓、キッチン・洗面、タイルといったカテゴリー製品を生産しています。

「Ranger GTP」を導入した筑波工場〔茨城県つくば市〕は同社ユニットバスの国内最大の生産拠点(ユニットバスの生産拠点はほかに札幌工場〔北海道北広島市〕、上野緑工場〔三重県伊賀市〕、佐賀工場〔佐賀県多久市〕があります)で、首都圏ならびに東北地方といった東日本エリアに製品を供給しています。ユニットバスの部材はサイズが大きく、施工現場で組み立てる必要があるため、物流面でのコストを考慮し、施工現場に近い位置に生産拠点を構えていますが、特に筑波工場と上野緑工場には大型の生産設備(プレス機や射出成形機)が設置されており、大型部材をそれぞれ札幌工場や佐賀工場に供給する役割も担っています。なお、筑波工場からは1か月あたり約1万6,000セットのユニットバスが出荷されているということです。

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※筑波工場

「Ranger GTP」導入前に直面していた課題

ユニットバス部材の出荷作業の省力・省人化と在庫スペースの縮小

本日はお忙しい中、大変にありがとうございます。まずは筑波工場における「Ranger GTP」導入前の課題について伺いたいと思います。

日比野様:筑波工場と上野緑工場では、ユニットバス部材原料のコンパウンド(樹脂やガラス繊維などを混錬することで品質や機能性を高める)加工をインプラントで行っており、そのスケールメリット(国内最大)とノウハウのコア技術で差別化を図ってきましたが、一方でパートナー企業から仕入れた部材をアッセンブルして製品化する部分もあります。そのため、取り扱う部材の種類も量も多くなっており、施工現場への出荷(ピッキング・集荷・梱包)業務には多くの人員が必要でした。作業自体も属人性が高くなっており、今後のこの作業工程のサステナビリティや業務品質・生産性の均一化についても考慮する必要があると考えていました。
また、その分、在庫エリアとなるパーツセンターのスペースも広く確保しなければなりません。出荷業務に携わるオペレーターはその広いスペースを歩行して作業を進めるわけですから身体的負荷は大きく、人手不足で人員確保が以前より難しくなっている実情も踏まえ、この作業工程への自動化設備導入し、これを第2のコア技術にすることを検討することになりました。また、その際に在庫スペースを縮小し、より付加価値を生むような業務に充てられれば望ましいと考えました。

以前はオペレーターが台車を押しながら歩行して作業を遂行

筑波工場では、ユニットバス部材の出荷作業工程における省力・省人化や、在庫スペースの縮小が課題だったわけですが、「Ranger GTP」導入前にはどのような対応だったのでしょうか。

折戸様: ユニットバス部材の在庫スペースは約1,500㎡もあり、固定棚が260台、多列に設置されている中、7名のオペレーターが台車を押しながら歩行して作業を行っていました。オペレーターの歩行数はかなり多くなり、そのうえ数多くの部材(品番がアルファベットを含め20桁ある)をミスなくピッキングして出荷・梱包する作業は身体的にも精神的にも負荷が大きかったと思います。

「Ranger GTP」導入の経緯と現在の運用

GTPとしての性能と需要変動にも対応できるフレキシブル性を評価

「Ranger GTP」導入の経緯についてお聞かせください。

日比野様:ユニットバス部材の生産と出荷のタイミングが合わなければ、そのズレが在庫増加につながり、そのためのスペース確保が必要となるうえ、コストもかさみます。その点、自動化設備導入の検討にあたっては、出荷がこれまで以上に効率的で生産性向上につながるものであることは当然として、オペレーターの省力・省人化に寄与するGTP(Goods to person)タイプのロボットが望ましいと考えました。また、当社生産現場ではJIT(Just in time)への対応を掲げていましたので、安全在庫を確保しつつ在庫スペースを縮小できるような設備・機器を求めていました。

こうした観点から自動化設備をながめたとき、棚搬送型ロボット「Ranger GTP」が当社のニーズにぴったりとはまることが分かり、導入を決めました。「Ranger GTP」がGTPとして搬送能力・速度、安全性に配慮した機能などを併せ持つことはもちろん、搬送棚が移動でき、必要なときに必要な数量の棚を必要な場所で使用することができる点も魅力です。ユニットバス部材は、需要が変種変量で推移する製品であり、どの部材がいつどの程度必要になるか分かりません。ですから固定棚ではなく、需要の変動に対し、フレキシブルに無駄なく対応できる搬送棚は非常に有効だと考えました。

折戸様:当初は情報収集の過程で、AMR(Autonomous Mobile Robot)や自動倉庫なども候補に挙げて検討しましたが、いずれも当社のニーズにマッチしないと判断しました。平均で1日1,500~2,000ピースの部材を出荷し、なおかつ変動幅もある現場ですから、固定設備でなく、かつ一定の処理量にも変動にも対応できる「Ranger GTP」がこの現場には適していると考え、私も「Ranger GTP」導入を推し進めた次第です。

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※稼働する「Ranger GTP」

ロボット5台・搬送棚150台体制で2022年3月に本格稼働

筑波工場では「Ranger GTP」をどのように運用されているのでしょうか。

折戸様:現在導入しているシステムは、ロボットを制御するシステムを含め、ロボットが5台(レンタル)、搬送棚が150台(購入)、ステーションが2台(レンタル)、充電器が1台(レンタル)といった構成になっています。ユニットバス部材を在庫するパーツセンターに導入し、2022年1月からテスト運用を始め、3月に本格稼働しています。

「Ranger GTP」導入の効果と今後の展望

労働力30%減、在庫スペース40%減を実現

「Ranger GTP」の導入効果についてお聞かせください。

折戸様:以前は付帯作業を除き、5名体制で作業を行っていましたが、「Ranger GTP」導入後は3名体制で対応できるようになりました。在庫スペースも以前は1,500㎡でしたが、現在は900㎡にまで縮小することができました。その余剰スペースについては、これまで倉庫外部で行わなければならなった作業に充てており、全体としての生産性向上のほか、この作業にかかわっていたオペレーターの人員も削減することができました。オペレーターの労働負荷も軽減したほか、作業工程における属人性が排除され、生産性の面でも品質面でも均一的な作業を実現することができたと考えています。

日比野様:導入効果としては労働力にして40%減、スペースにして40%減ということですね。また、折戸も触れたとおり、「Ranger GTP」導入により作業が標準化されたことでオペレーターの多能工化が進み、全体としての競争力強化につながったと思っています。そのほかにもステーションを状況に応じて、入庫モード、出庫モード、棚卸モードの3モードに変化させて効率的な業務推進が図れるなど、数値化できない様々な効果が生まれていると感じています。

取扱部材増加への対応でさらなる自動化設備導入も視野に

設備投資やシステム運用など今後の展望についてお聞かせください。

日比野様:2022年4月に登場した当社ユニットバスブランドの「Lidea(リデア)」は、お客様のライフスタイルの変化に合わせて浴室仕様のフレキシブルに変更するという提案を表現したものですが、この展開により取り扱う部材が今後さらに増えていくものとみています。この提案が広くお客様のご支持をいただく中で当社としてもより迅速かつ的確に部材をお届けする体制を構築しなければなりません。そのためにもさらなる自動化設備の導入が必要になると思います。その際には「Ranger GTP」はもちろん、様々なツールを検討し、取組を進めていく考えです。

弊社もLIXIL様のお客様視点での今後のさらなるサービス向上に貢献できるよう、引き続き省力・自動化の様々なご提案させていただければと存じます。本日はありがとうございました!


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