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EC利用者の満足度向上には、商品の注文から到着までのスムーズな連携が欠かせません。商品のピックアップ、発送作業の正確さとスピードへの要求がさらに高まっていることを、物流の現場で実感されている方も多いのではないでしょうか。
そしてECにおける物流システムの真価が試されるのが「波動」への対応。物流システムの安定性は、EC事業者に対する信頼とも直結しています。急激な出荷量の増大が発生した際にも、ミスのない出荷作業を実現しなければなりません。
「ブラック・フライデー」をはじめとするECモールでのセールや、季節的な商品へのニーズの高まり、あるいはSNSでの人気上昇といった商機を逃さず、大量の注文に確実に応えられる体制の構築が、EC物流事業者の大きな課題となっています。
そこで今回は、立体型仕分けロボットOmni Sorter(オムニ・ソーター)を物流倉庫に導入、ECならではの出荷量変動に対応しながら、作業品質の向上も実現されたディーエムソリューションズ様にお話を伺いました。
ディーエムソリューションズ様が展開するEC事業特化型物流代行サービス「ウルロジ」は、EC事業者をクライアントとし、EC・通販のバックヤード業務、スポットでの物流、発送業務を担っています。
これまで「ウルロジ」事業で使用する物流倉庫にロボットは導入されておらず、⽴体型仕分けロボットOmni Sorterの採用は、同社にとって初めてのチャレンジでした。
月額制倉庫ロボットサービスRobowareによるOmni Sorter導入は、「ウルロジ」にどのような変化をもたらしたのでしょうか。当初の課題や、導入の成果、そして今後の展開などについて伺いました。
松尾様:「ウルロジ」では、ECモールのセール時や季節要因、最近ではSNSでの拡散によって急激に受注件数が増加する「物流波動」に、どのように対応していくかという課題を持っていました。
出荷作業が増加すると、どうしてもスタッフへの負荷が高まり、出荷ミスが生じる確率も上昇します。作業量が急激に増えた場合でも、安定した物流品質を保つためにはどうしたら良いのか。その答えとして、スタッフの負荷増加を抑えることも課題の1つでした。
松尾様: 日本全体の課題である人口の減少、就業者の減少は今後も続くことが予想されますが、一方で、インターネットを通じた販売、EC化率はさらに上昇していくと考えています。
こうした背景から、特に「作業工数の軽減」「省人化」「省力化」を課題として捉えていました。
Omni Sorterを導入することでピッキングミスや検品ミスを減少させ、物流品質を高めることができると思いました。
Omni Sorterの導入は、物流の現場にある課題の解決とともに、今後の事業展開についても大きな可能性を見せるものになったようです。
松尾様:Omni Sorterの操作は想像以上に簡単でした。導入時に、短時間のレクチャーを受けるだけで使えるようになりました。また弊社の課題であった「波動対応」「物流品質の向上」「省人化」のすべてにおいて課題解決につながっています。今後はOmni Sorterの機能、ポテンシャルを有効に利用できる案件を増やし、さらに高品質な通販物流代行サービスにしていきたいと思います。
松尾様:「物流現場におけるロボットの積極導入」という視点が加わりました。Omni Sorterは、弊社の通販物流代行サービスにおいて初めて導入したロボットです。検討していた当初は操作性やコストパフォーマンスに不安がありましたが、実際に導入してみると「今後の物流にはロボットが欠かせない」と認識することができました。
倉庫ロボットの導入にあたっては、現場への負担や運用コストなど、さまざまな観点からの検討が必要です。ディーエムソリューションズ様が、月額制倉庫ロボットサービスRobowareによるOmni Sorter導入を選択したのはどのような理由からだったのでしょうか。
松尾様:システム連携が簡単に行えるなど、ソフトウェア的な充実度が評価の決め手となりました。
Robowareの良い点としてまず挙げられるのは、ロボットの運用・管理が「STREAM」(Robowareの管理システム)上でできるところです。今後AMR(自律走行ロボット。Robowareでは「FlexComet」「FlexSwift」を展開)など新しいロボットを導入した場合にも、同じように「STREAM」で管理できるという点は、オペレーターの学習コストおよび運用負荷軽減につながると考えております。
松尾様:サポート面においても、月額の運用保守料金にロボットのメンテナンス代や、仮に故障した場合の修理代、ソフトウェアのアップデート費用などが含まれている点は、経営的に見ても安心しております。
Omni Sorterは、急激な出荷増大にともなう作業量増加への対応、現場の負担軽減や作業ミスの減少といった課題解決に貢献しています。「ウルロジ」での今後のロボット活用において、どのような点に期待されているのでしょうか。
松尾様:未来の倉庫現場のあるべき姿から、弊社のフェーズに合った戦略的なロボットや物流機器の導入に関して、品質や生産性の向上、省人化という観点から、アドバイスやサポートを行っていただけることを期待しています。
また今後の展望としては、通販物流代行サービス「ウルロジ」の拡大に向けて取り組み、Omni Sorterの有効活用、そしてロボット化によるさらなる物流品質の向上を目指してまいります。